犬の学校というのがあります。この学校には生徒会もあり、生徒会長は6年生のけいろく君です。「みんなで決めた今年の目標は1.ろうかを全速力で走るのはやめよう。2.黒板ふきをくわえてどこかに持っていくのはやめよう。3.男女交際は場所と時間を考えよう。4.ともだちのおやつをよこどりしないようにしよう」と、あります。いかがですか? こんな学校、ぜひ覗いてみたいとは思いませんか。全63章から成る本書は、実在するイヌの写真を活かしたイラストと、それぞれのイヌの個性や学校での出来事を綴った「絵本」でもあり、「アルバム」でもある不思議な一冊。雑誌やテレビで活躍するメイクアップアーティストの藤原美智子さんの愛犬も通学し
ているそうです。どのイヌがそうなのかは、本書をよく読むと分かってきます。本当にこんな学校があったら、ウチのコもぜひ通わせたい。学級参観で覗いてみたい。きっとそんな気持ちになる独特の世界を感じられる本なのです。 |
本書はさまざまなメディアで話題になった絵詩集「野良猫ムーチョ 〜心に吹く風〜」の続編です。まず扉を開けると飛び込んでくるのは真っ白なページに記された「君 愛されるって どういうことか知ってるかい? ぼくは知らないんだ まだ愛され
たことがないから」という4行の詩。野良猫の人生(猫生)を考えると、ああ、そうか、と思わずにはいられませんが、何か哲学的な印象さえ受ける4行です。表情豊かな野良猫ムーチョと、その仲間たちの姿がやさしいタッチでありながら活き活きと表現された挿し絵。その絵の世界をさらに広げてくれるストーリー(詩)に引き込まれ、まるで自分が猫になったような気持ちがします。また逆に「あたし あんたの気持ちがわかるよ 誰かに楽にしてもらいたいんだろう? 生きていることが辛くなると そんな風に思うんだよ あたしも 今そうだから」というページでは、え?人間のこと? と共感し、切ない気持ちにもなってきます。どうぞじっくり味わいながら読んでください。 |